「ジョン・ケイン・アリーナ」って?

2021年のメルボルンでの全豪前哨戦「ATP CUP」をご覧になった方は、会場のコート名を見て「ジョン・ケイン・アリーナ」って?と思われたのではないでしょうか。

「ジョン・ケイン・アリーナ(John Cain Arena)」は、2020年2月にメルボルン・アリーナから名称変更されたコートです。といっても、「メルボルン・アリーナ」だったのは2019年から2年間だけで、2000年に誕生したときは「ボーダフォン・アリーナ」、2008年から「ハイセンス・アリーナ」と、スポンサー名を冠した名称でした。2021年は通常開催とは少々異なりますが、このアリーナはグラウンドチケットで入れるコートだったため、キリオスやガブリロワなど地元の人気選手が割り当てられることが多く、いつも満員になるコートでした。

で、「ジョン・ケイン」って誰? 「ロッド・レーバー・アリーナ」「マーガレット・コート・アリーナ」とオーストラリアの名選手の名前を冠したコートがすでにあるため、「ジョン・ケイン」なんて選手いたっけ?と思ってしまいますが、ジョン・ケイン氏は、1982年から1990年まで務めた第41代ビクトリア州首相。それまでクーヨンで開催されていた全豪オープンをメルボルン(ビクトリア州です)固定開催に尽力したことに敬意を表して、命名されたそうです。

「ジョン・ケイン・アリーナ」は多目的アリーナで、公式サイトやSNSの公式アカウントがあります。

「ほかに有名な選手いなかったの?」と思ってしまいますが、ロッド・レーバー氏と並び称されるケン・ローズウォール(Ken Rosewall)氏は、すでに出身地であるシドニーオリンピックパーク内に「ケン・ローズウォールアリーナ」がありますし、1990年代に活躍したパトリック(パット)・ラフター(Patrick Rafter)にちなんだコート「パットラフターアリーナ」は、やはり出身地のクイーンズランド州のブリスベンにあります。有名選手の名前は取り合いのようで、次にできるとしたら、アデレードにレイトン・ヒューイット・アリーナかもw

ちなみに、「マーガレット・コート・アリーナ」のマーガレット・コートさんは、グランドスラム優勝24回の記録を持つ名選手ですが、現在はカトリックの牧師で同性愛者や同性婚に否定的で「テニス界はレズビアンばかり」と発言するなど批判を受けていて、コート名を変えるべきという意見がでたことは記憶に新しいですね。現在GS23勝のセリーナ・ウィリアムズが彼女の記録を破ることが熱望されているのは、ここにも理由があるようで。

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