追記(2022年3月16日):グランドスラム委員会は、GS4大会で最終セットのタイブレークを10ポイント制に統一するルールを試験的に導入すること発表しました。今年の全仏オープンからの導入になります。
これまでバラバラだった4大大会の最終セットのルールがこれで統一されることになります。すでに全豪オープンで採用されているルールで、最終セット6―6から10点先取のタイブレークとなります(タイブレークで9-9以降は2ポイント差がつくまで行います)。ルール統一は、選手の健康面や(バラバラで)わかりにくいというファンの声に配慮したもの。
これで最長試合更新はもうなくなりそうですね。
(下記内容はこれまでのルールになります)
グランドスラムの男子の試合は5セットマッチ。以前は5セット目で2ゲームの差がつくまで延々試合を続ける大会がほとんどで、2010年ウィンブルドンの、マウ×イズナー戦の11時間5分のようなケタはずれのロングマッチが生まれたりしましたが、大会運営上、選手の健康上の両面から全豪とウィンブルドンもタイブレークを導入、今では4大会で各大会ごとに5セットめのルールが違います。
以前にも個別には紹介しましたが、まとめておくことにしました。
大会 | 5セット目のルール |
全豪オープン | 6-6になったら10ポイントタイブレーク |
全仏オープン | 2ゲーム差をつけるまで続ける(5セット目のタイブレークはなし) |
ウィンブルドン | 12-12になったら通常のタイブレーク |
全米オープン | 6-6になったら通常のタイブレーク |
それぞれもう少し詳細に紹介しますね。
全豪オープン
全豪オープンは2019年から、5セットで6-6になった場合に、10ポイントマッチタイブレーク(スーパータイブレーク、ファイナルタイブレークとも)制を導入。2ポイント以上の差をつけて10ポイント先取したほうが勝ちになるルールで ATPツアーのダブルスなどではすでに採用済み。9-9になった場合は2ポイントの差がつくまで続けます。
全仏オープン
唯一5セットめのタイブレークを導入していない大会です。2019年年の記事ですが、今のところ導入の予定はないそうです、
ウィンブルドンのイズナー×マウ戦のような事態が起きたら検討するかもしれないが、これまでの全仏の6時間越えの試合は、2004年のファブリス・サントロ×アルノー・クレモン戦のみのため、そんな事態は起きないだろうとしています。上記記事では、全仏では、先の見えない試合は少ない気がする、と書いていますが、個人的には、クレーコートのため、ラリーが続くことが多く、1ポイント取るまでが長いため、全仏の試合は全体的に長いように思いますけどね。
なんと女子の全仏最長試合記録保持者は、2010年に、4時間42分で、ニクレスクに勝った奈良くるみ選手なんですよ。
ウィンブルドン
やはり2019年からタイブレーク制を導入。ただし、ファイナルセットが12-12になったらタイブレークというほかにない独自のルール。
さすがに12-12まで行くことってそうそうないだろうと思っていたら、あったんです。しかもシングルスではなく、ダブルスで。ちなみにウィンブルドンのダブルスは、シングルス同様の5セットマッチ。男子ダブルスの5セットマッチはウィンブルドンのみです。その試合は、ダブルス3回戦のピアース/コンチネン×ラム/ソールズベリー。日没サスペンデッドで翌日に再開、ピアース/コンチネンが、6-4、3-6、4-6、13-12(7-2)で4時間29分の試合を制しました。
全米オープン
もともと1970年から5セット目も通常のセットと同様の7ポイント先取のタイブレークを実施。全米の最長試合記録は1992年のエドバーグ×チャンの5時間26分。
前にも書きましたが、Wikipediaの「Longest tennis match records」ページが面白いです。試合時間だけでなく、セット数などでもカウント。「あー、あの試合」と思い出す試合も多く時間を忘れます。
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