全豪2021あれやこれや:ベイビー、ドント・クライ

全豪オープンの試合後の会見で、いつも陽気なモンフィスやセリーナ・ウイリアムズが涙を見せていました。全豪竹内まりやの「元気を出して」ではありませんが、いつも涙なんて見せないような選手が、会見で涙を見せたのを目にして、こちらも悲しくなってしました。

2020年のコロナによるツアー中断から再開後、まったく勝てていないモンフィス。2020年のツアー中止前にモンペリエとロッテルダムで優勝していたことと、変則なランキング(一昨年の大会と昨年の大会、両方出場した場合はいいほうのポイントを採用)となったため、ランキングこそ維持していますが、初戦負けが続いています。2021年に入ってからもATPカップではイタリア戦でフォニーニに負けた後、次のオーストリア戦には欠場。全豪オープンは、初戦がランキング81位のフィンランドのルースブオリ(ラウスビュオーリ?読み方もよくわからない)で、これは大丈夫だろうと思っていたのですが、6-3、4-6、5-7、6-3、3-6とフルセットで敗退。

試合後の会見で、「この悪夢から抜け出したい」と話し、言葉をつまらせていました。

いつも陽気で、コートの内外で私たちを楽しませてくれていたモンちゃんのこの姿は、こちらもつらくなってしまいました。

しかも恋人のスビトリーナとの突然の別離宣言。負けたあとも彼女の試合をファミリーボックスで応援していたので、なんとなく安心していたのですが。まずはテニスを立て直したいんでしょうか。

そして、準決勝で大坂なおみ選手に敗れたセリーナ・ウィリアムズ。GS最多優勝に並ぶまであと1勝となってから決勝には出るもののなかなか優勝できないセリーナ。今大会は、これまでにないほど、体を絞り、フィットした状態で大会に臨んできたことから、今大会にかける心意気が伝わってきました。

サバレンカ、ハレプと実力ある選手を破って臨んだ準決勝でしたが、大坂選手にストレート負け。正直私は準決勝は非国民でした。大坂選手はこの後何度も何度も優勝するでしょうし、今大会はセリーナに勝ってほしかった。見ていて、ここまで頑張ってももう大坂選手にはかなわないか、と素人目にも思ってしまいました。負けたこともさることながら、予想した以上に力の差を感じたことが、ショックでした。

何よりもそのことを感じたのは当のセリーナで、涙目でプレスルームに現れ、涙を抑えられずに、会見を終わらせてしまいました。

いつも勝ち気で負けてもこんなふうに涙なんか見せなかった。テニスライターの内田暁さんが、打ちひしがれたようすのセリーナに「大坂選手の印象について質問できなかった」とツイッターで書いていましたが、その気持ちわかります。

彼女の記録達成には、本人もさることながら、現在の記録保持者が同性愛者に否定的なコメントを出すなど批判もされているコート夫人であることから、セリーナに期待を寄せる人も多いんですよね。マッケンローなんかは、「セリーナ、早くあと2勝して、あのBBAを抜いてくれ」と言ってたりします。

セリーナが再び意欲を取り戻してくれるでしょうか。ビジネスでも成功しているし、姉のヴィーナスのようにランキングを少々落としても(といっても少々、です。まだまだ強い)テニスを続けるということはないようにも思うんですよね。

なんだか切なく寂しくなった全豪オープンだったのでした。

コメント