今日勝ったものも明日には消える 第4シーズン

今年も偽プロジェクトランウェイの季節がやってまいりました。本家「Project Runway」のWOWOWの放送はついこの間第8シーズンが終わりましたが、ご存じない方に簡単にご説明しますと「Project Runway」は全米から集まったデザイナーがテーマに沿った服を作り、勝ち抜いてNYファッションウィークでのコレクション発表を目指すリアリティショーです。その番組をみているうちに、出演者のコメントがおもしろくてついマネしてみたくなりはじめた企画(ってほどでもないですが)もなんと4回目。こんなヘタレブログも結構長く続けてきたんだなぁと実感しました。

今回は趣向を変えてファイナルコレクションをパロってみました。ウェアのコレクションを一堂に揃えてみてみたい選手といえば、そう、ラデク・ステパネクです。2012年の彼のウェアをピックアップしました。例によって、審査員のハイジ・クラム(H)、マイケル・コース(M)、マリ・クレール誌のディレクターであるニーナ・ガルシア(N)(の吹き替え)のなりきりコメントです。ボロクソに言ってますが悪意はありません。むしろあるのは愛ですw 笑って許して。


H:ラデクのコレクションはみんな楽しみにしているのよね。どんなのが出てくるんだろうっていつもワクワクしちゃう。
M:ウェアをみただけで誰のウェアかわかる。すばらしいことだ。
N:彼はウェアに情熱を持ってる。それはとても大切なことよ。そして常に進化しているわ。
H:じゃあコレクションをみてみましょう。

ブリスベンのウェア。胸にスター。

H:ワタシはコレクションの1着めに大満足とはいえないわ。え、これがオープニングって思っちゃった。なんかピンとこないのよね。
N:1着目はどんなコレクションが始まるのかって期待を持たせてくれなくちゃ。これじゃ弱いわ。
H:ただし、このあとのコレクションにつながるモチーフのスターを持ってきているのよね。
M:自分が思い入れのあるものをインスピレーションにしているのはいい。だがコレクションを代表するウェアとしては地味なんだよ。
N:数あるコレクションのなかからどうしてこれなの?って思ってしまうの。

シドニー。

H:これってTVゲームの「テトリス」に似てない?ブロックが落ちていくゲーム。
N:ブロックも前後のプリントも彼のウェアでは何度か見たわよね。新鮮味に欠けるわ。
H:そもそもこの赤紫系の色って彼には似合わないんじゃないかしら。
M:同じ色ばかりでも飽きるが、コレクションに統一感は必要なんだよ。

全豪オープン。キラキラ“スタア”ウェア。

H:これぞ「オレこそスターだ!」っていうウェアよね(笑)
M:人目を引くドラマチックなウェアを着こなすのは彼ならではだ。ラデク様全開だよ。それは失ってはいけない個性だが、コスチュームになるのは避けないとな。
N:彼はもっと洗練させなくちゃ。削るところは削って上品にすることが必要だわ。
H:でも彼のウェアにはなんといっても遊びがあるのがいいのよね。私は好き。

マイアミ

H:この変形アーガイルも彼の好きなモチーフよね。去年も見たわ。
M:残念ながら新鮮な驚きをまったく感じないんだよ。前にも同じものをみたと観客は思うだろう。
N:もっとアピールしなくちゃ。平凡よ、平凡。いまのままじゃちっともアピールしないわ。
M:常に新しいものを生み出すのは大変だ。だが、それを乗り越えなくちゃ真のクリエイターとはいえない。難しいんだがね。
N:彼ならできるはずよ。私たちはそれがみたいのよ。

トロント

H:これも色使いは悪くないんだけれどシンプルなウェアよね。
M:いまどき、これくらいの色なら誰でも着てるだろう。彼らしさは残念ながら皆無だな。
H:ラデクのウェアだもの。「わーっ」って私たちを驚かせてくれなくちゃ。
N:この胸元で切り替えるパターンは彼の後半戦につながるデザインなのよね。統一感をもたせてる。そこは評価したいわ。

US OPEN。衝撃の自由の女神ウェア

H:これはラデクワールド全開ね。
M:ニューヨークで自由の女神じゃひねりもなにもないな(笑)。でもこれは唯一無二のウェアだ。
N:ショーとしてみせようとする心意気は買うわ。とはいえ、一歩間違うとふざけてると取られかねない。サーカスのコレクションだと思われるわ。
M:現実問題、アーチストとしての自分を通すのも大事だが、バランスも大切だ。削ぎ落とすことを学ばないとな。
H:でも、ワタシこれ着てみたいわ。
M:ハイジなら似合うだろうw。誰にでも似合うウェアじゃないが、そこが彼らしいな。

楽天。

H:一転してこれは……。作ってる途中なの?って言いたくなっちゃう。
M:日本だからここにスカイツリーでもいれるつもりだったんじゃないのか。もしくは五重の塔か大仏か(笑)
N:混乱したわ。US OPENのウェアから自由の女神を取っただけなんだもの。
H:何かここに書きたくなっちゃう(笑)

上海。このあとマスターズでもこのウェア。

H:これも期待はずれね。
M:パエスとウェアを揃える必要があったことは理解する。それにしたってこれは手抜きだと思われてもしょうがないぞ。まるでそのへんのデパートで売ってるウェアだ。
H:それも地味な売り場でね。
N:ただただつまらないわ。

デ杯決勝初日。

H:彼の好きなモチーフをデ杯ふうにアレンジしたみたいだけど…。
M:確かにシドニーや去年のコレクションのアーガイルが下地にあるのよね。彼らしいウェアではあるんだけど、ちょっと物足りないのよ。
M:彼のウェアには彼らしいクドさや「濃さ」が必要なんだよ。ちょっとあざといくらいのね。ただのさわやかなウェアに終わってしまっては本末転倒だ。
H:ワタシはわりとこれ好きよ。でもたしかに爽やか過ぎるかも(笑)

デ杯決勝

H:そしてこれ。出てきた瞬間うわーって叫んじゃったわ。龍のウェアに続くリアルイラスト路線でしかも赤パンツ。すっごく彼らしいわね。
M:デ杯らしさと彼らしさを兼ね備えたウェアだ。完璧だよ。ブラボーだ。
N:圧倒されたわ。誰にもマネできないウェアね。こういうのをもっと見せてほしかったわ。あえて言えばもう少し白をどこかに使っても良かったんじゃないかしら。でもいい出来だわ。
H:ドラマチックよね。デ杯優勝にふさわしいウェアね。


だんだん最後には何いってるのか意味不明になってきました(^^;)。ステパネクには2013年もまだまだウェアでプレイで楽しませていただきたいものです。そういえば、夏、ニューヨークに行ったときにブライアントパークで「おお、これがあのプロジェクトランウェイのファイナルに登場するブライアントパークだ!」と思ったのですが、今シーズンからコレクションはリンカーンセンターに変更になっていたのでした。

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